昨今の医療技術の急速な進歩、救急医療の必要性や患者さまの高度医療へのニーズ対応などの観点から、一つの医療機関のみで診断から治療までの診療を担うことは、困難な医療状況になっています。
そのような医療環境のなか、皆様のかかりつけの診療所(病院)の先生が、日常の診療において特別な検査や治療が必要と判断した場合には、先進高度医療機器を備えている地域の基幹総合病院(県立尼崎病院もその一つです)に患者さまを紹介することが可能です。 また、一方、総合基幹病院で初期治療が終了し病状が安定すれば、かかりつけ医へ患者さまを逆紹介し継続的な診療をお願いしています。
このように、中核総合病院とかかりつけ診療所が、相互に連携を取り合い患者さまの医療情報を共有しながら地域の患者さまに高度医療を提供するシステムが地域医療連携(病診連携または病病連携とも呼びます)です。
すなわち、「より高度な医療を受けたい」、「かかりつけの先生に診てもらいたい」、「もっと診療時間をとって話をゆっくりと聞いてもらいたい」、「往診をしてほしい」、「仕事の都合上、平日の昼は休めない」など患者さまのニーズに対応した医療システムでもある訳です。
県立尼崎病院は尼崎市医師会との協力で、昭和62年に日本で初めて病院内に地域医療連携室(現 地域医療連携センター)を設置し、地域の診療所・医院とともに開放病床利用を含む地域医療連携に取り組んだ病院です。
県立尼崎病院は、今後も、尼崎市を始めとした阪神間の地域医師会または医療・福祉・行政機関との地域医療連携を更に深め、地域に開かれた病院つくりを推進するとともに、診療において地域医療機関と患者さまへ種々の高度医療を提供することをめざしています。
一医療機関のみで診断から治療、そして、その後の経過観察まですべての完結した医療(一施設完結型医療、または、院内完結型医療)を患者さまの期待に応じて提供することは困難な現況です。
現在では、当院のような地域の基幹病院と皆さまの近くのかかりつけ診療所や医院(あるいは、民間病院)の複数医療機関が、それぞれの役割分担を明確にし、相互協力しながら地域に密着した途切れのない継続医療(地域内完結型医療)を患者さまに地域内で提供することが求められています。
当院では、患者さまに検査や治療などの高度医療を提供するために、地域医療施設の先生方(かかりつけ医)からのご紹介を受けています。
そして、患者さまへの急性期治療を含む治療や精査が終われば、経過観察として、あるいは、症状が慢性化した場合には在宅療養や入院療養を目的として、近くの診療所や民間病院へ逆紹介(継続診療の依頼)をさせていただいています。
地域医療施設からの当院への紹介患者数や紹介率(初診外来患者の総数における、地域医療機関からの紹介患者数の割合)、および、当院から地域医療施設への転院調整数と逆紹介率(当院から地域医療機関へ紹介される患者数の割合)は、年々増加しています(表)。
県立尼崎病院では、患者さまが、
この三人の主治医を持たれることを提案しています。 この三人の主治医が、その時の患者さまの病状に応じて互いに連絡をとり、各々の役割に適した診療をおこなう医療連携が、皆さまに地域に密着した高度な継続医療を提供できると考えています。
地域医療連携センターは、かかりつけ医療機関(診療所や病院、施設)と県立尼崎病院との医療連携の窓口です。
上記三人の主治医の連携をお手伝いすることが、我々地域医療連携センタースタッフ(医師、退院調整看護師、ソーシャルワーカ(MSW)、事務員)の役割です。