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麻酔科

麻酔科専攻医(後期研修)カリキュラム

概要

近年、生体監視装置や麻酔関連の薬剤の進歩により、以前に比べて比較的安全に麻酔が行なえようになった。しかしながら、手術患者の高齢化,合併症を有する患者の増加等,患者リスクが増大し、手術手技も複雑化する中で、より安全な麻酔中の患者管理が要求されている。さらに、術中の質の高いきめ細かな麻酔管理が術後の合併症の減少や患者の満足度の向上に寄与するだけでなく、長期予後にも好影響を与えることが示唆されている。

より安全で質の高い麻酔管理を担うことができる麻酔専門医の育成は、麻酔科医不足が社会問題化している今日、現代医療の急務である。

本プログラムの目的は、初期研修で身につけた総合的な臨床能力を元に、将来、日本麻酔科学会麻酔科専門医の資格を取得するために必要となる臨床能力と知識を習得することである。

一般目標

  • 術前評価、麻酔計画、術中管理、術後管理を通して麻酔および周術期管理に必要な知識と手技を習得する。
  • 専攻医3年次に厚生労働省認定麻酔科標榜医および日本麻酔科学会麻酔科認定医の資格取得を目標とする。
  • 日本麻酔科学会麻酔科専門医の認定審査申請時(申請する年の3月31日までに認定医の資格取得後満2年以上経過)に必要となる研究実績(学会参加・学会発表・論文執筆)の準備をすることを目標とする。
  • 将来、日本麻酔科学会麻酔科専門医試験(筆記・口頭・実技)に合格できるように麻酔に関連する物理化学・薬理学・生理学等の基礎的知識や正しい手技を習得することを目標とする。

具体的目標

日本麻酔科学会の「麻酔科医のための教育ガイドライン」に従い、基本知識と手技を習得する。

  • 術前診察により手術患者の術前評価を正しく行ない、術前合併症に対する対策と麻酔法・術中全身管理の計画を立てることが出来る。
  • 各種麻酔法の概略を患者に説明し、各患者に応じた麻酔法を選択できる。
  • 術前診察記録、麻酔記録、術後診察記録の記載が正しくできる。
  • 手術患者の呼吸・循環管理を適切に行うことができる。
  • 麻酔に必要な以下の基本手技を正しく実施することが出来る。
    1. 血管確保
      • 末梢静脈路確保
      • 中心静脈路確保
      • 肺動脈カテーテルの挿入
      • 動脈カテーテル挿入
    2. 気道管理
      • 気道確保
      • 気管挿管
      • ラリンジアルマスク
      • 片肺換気
    3. モニタリング
      • 心電図
      • 血圧測定
      • パルスオキシメータ
      • カプノメータ
      • 体温モニター
      • 筋弛緩モニター
      • 肺動脈カテーテル
      • 経食道心エコー法
    4. 血液採決
      • 静脈血採血
      • 動脈血採血
    5. 治療手技
      • 導尿
      • 胃管挿入
      • 気管内吸引
      • 輸液
      • 輸血
      • 心肺蘇生
    6. 機器点検および使用
      • 麻酔器
      • シリンジポンプ・インフュージョンポンプ
    7. 局所麻酔
      • 脊髄くも膜下麻酔
      • 仙骨麻酔
      • 硬膜外麻酔
      • 上下肢の伝達麻酔
    8. 鎮痛法
      • 鎮痛法の選択
      • 硬膜外鎮痛法
      • 非経口的鎮痛法
      • 経口的鎮痛法
    9. 感染防止
  • 全身麻酔薬・局所麻酔薬・筋弛緩薬・心血管作動薬・各種鎮痛薬の薬理学的知識を習得し、これらの薬剤を適正に使用できる。
  • 麻酔の歴史、麻酔に関連する物理化学・薬理学・生理学等の基礎的知識を習得する。

研修方法

  • 専攻医は最初の1年間は原則として指導者(麻酔科専門医・麻酔科指導医)とペアを組み麻酔管理を行う。麻酔科認定医および上級専攻医が指導の補助に当たる。担当する症例は簡単な短時間で終わる手術症例から始まり、専攻医の能力の向上に応じて次第に難易度の高い症例を担当できるようにする。
  • 2年目以降は特殊な症例を除いて原則として自ら術前評価、麻酔計画の立案を行ない、必要に応じて指導者の指導のもと術中管理を行なう。
  • 3年目以降は緊急手術や心臓・大血管手術症例など特殊な症例に関しても、術前評価・麻酔計画の立案・術中管理を自ら行ない、必要に応じて指導者の指導をうける。
  • 担当麻酔症例数は年間300例程度とする。
  • 専攻医は原則として手術前日までに担当予定症例の術前評価・麻酔計画をカンファレンスで提示し、指導者の指導をうける。
  • 専攻医は術後回診に参加し、術中麻酔管理の反省点・術後管理の指示等に関して指導者の指導をうける。
  • 週一回、麻酔に関連する物理化学・薬理学・生理学等の基礎的知識や正しい手技を習得するために英文教科書の輪読会を行なう。
  • 専攻医は院外の症例検討会や学会において症例及び臨床研究の発表を積極的に行ない、指導者はその指導にあたる。発表前には予行演習会を行なう。

研修記録と終了評価

  • 専攻医は日々経験した症例のサマリーをコンピューターに入力し、各年度末に集計結果を麻酔科学会「生涯教育ハンドブック」の「臨床実績報告書」に記載し指導責任者の署名捺印を受けることができる。
  • 専攻医は、各年度末に学会参加・学会発表・学術出版物発表を麻酔科学会「生涯教育ハンドブック」の「麻酔科専門医実績目録」に記載しそのコピーを指導責任者に提出する。
  • 3年間の後期研修終了時には指導責任者が評価し、研修委員会において終了を判定する。
    研修終了時に麻酔科学会「生涯教育ハンドブック」の「職務経歴書」と「麻酔経歴書」にそれぞれ院長および指導責任者の署名捺印を受けることができる。

指導体制・学会施設認定

指導責任者

麻酔科部長 進藤 一男
(日本麻酔科学会指導医、麻酔科標榜医)

指導医

麻酔科部長 山本 学
(日本麻酔科学会指導医、麻酔科標榜医)

指導医

麻酔科医長 尾田 聖子
(日本麻酔科学会指導医、麻酔科標榜医)

指導医

麻酔科医師 前川 俊
(日本麻酔科学会認定医、麻酔科標榜医)

日本麻酔科学会麻酔科認定病院

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